勇気

帰りの電車の中で大人気ないサラリーマンを見ました。
彼は電車を降りる間際に100円を落としてしまいました。
その100円がコロコロと転がってしまったわけです。
そして、それを慌てて追いかける彼。


その電車はあの時間にしては比較的混んでいたのですが、
彼はそんな事お構いなしに突っ込んで行きます。
ちょうどそこに塾に行きます的雰囲気を醸し出している
リュックを背負った小学生が居たのですが、
その子を押し倒して100円を取ってました。


普段は物静かで大人しいシォですが、
これには流石に頭にきました。
「おい、オッサン。もう少し周り見たらどうですか。この子倒れてますよ。」
と言おうとしたのですが、
そんな勇気はないので心の中で呟いただけでした。


後でその小学生を見たら少しばかりか悲しそうな顔をしてました。
罪悪感を感じ、もう少し自分も勇気を持とう、
と心に決めながら自分も駅を降り帰路につきました。


そんな折、狭い道を横いっぱいに広がって歩いている
実に不届きな女性グループを発見。
ただ、女性とは相離れた風貌だったため
女性と言ったら世の女性に失礼かもしれないので
オバタリアンとでも呼んでおきます。


そのオバタリアンズに勇気を持って
「あの、通れないんですけど、ちょっと通してください。邪魔です。」
と言おうとしたのですが、
自分が自転車に乗っていることに気づき、
こういうときは右手のそばにあるベルを鳴らせばよいことに気づいたので、
その自転車に装着されているベルをチリンチリンと鳴らすと、
オバタリアンズも此方の意図を察したのか、
道を譲ってもらいました。


自転車のベルの偉大さに感動を覚えた一日でした。